犬の膝蓋骨脱臼の基礎知識
膝の関節の”皿（膝蓋骨）”がずれるもので、先天性のものと後天性のものがあります。
犬の膝蓋骨脱臼は、後肢（後ろ足）の膝蓋骨が、滑車溝といわれる正常な位置から内外へはずれてしまう状態の事を指します。 特にトイ・プードル、ポメラニアン、ヨークシャー・テリア、チワワ、マルチーズなどの小型犬では亜脱臼がよく見られます。
犬の膝蓋骨脱臼の症状：脱臼した足を浮かせて歩くようになる
膝蓋骨の脱臼は膝蓋骨が内側にずれる「内方脱臼」と外側にずれる「外方脱臼」にわけられます。おもな症状としては、痛み、腫れ、跛行（脱臼した足を引きずったり、浮かしたりするようになる。）で内方脱臼では足の膝から下が外側に回転し、多くの場合両足におこります。
また、内方脱臼では後ろ足がO脚となり、外方脱臼では後ろ足がX脚となります。
膝蓋骨の脱臼は4つのグレードに分けられています。
▼グレード１〜２
犬が後ろ足を伸ばして自分で脱臼を治してしまい飼い主も気付かないという軽いもの。小型犬に多い亜脱臼もここに含まれます。
▼グレード3
習慣的に脱臼を起こすが、獣医師の処置で簡単にもとに戻るもの。▼グレード4
膝蓋骨がほとんど動かなくなったり、その足を曲げ、地面から上げて歩くもの。犬の膝蓋骨脱臼の原因：先天性のものは小型犬に多く、後天性のものは外傷が原因に
膝蓋骨脱臼になる原因としては、先天性のものと後天性のものがあり、先天性のものでは、生まれつき膝関節のまわりの筋肉や骨・靭帯の形成異常などがあることが原因です。これは先述の小型犬によく見られます。
後天性のものでは、年齢、犬種によって関係なく発生し、打撲や高所からの落下などの外傷などが原因となります。
また大型犬では多くの場合股異形成（股関節形成不全）を伴っています。
犬の膝蓋骨脱臼の治療：早期の手術が望ましい
獣医師の判断のもと、早期の手術が望ましいとされています。特に犬がまだ幼く、脱臼のグレードが3〜４の場合は加齢とともに後ろ足の全体に激しい変形が生じ、その修復が大変困難になることがおおいのでできるかぎり早めの手術が必要になります。
犬の膝蓋骨脱臼の予防：膝に負担をかけないことが重要。
犬の膝蓋骨脱臼を予防するには、膝に負担をかけないことが大切になります。フローリングなどの滑りやすい床で暮らしている室内犬の場合そのリスクを下げるために床に絨毯やゲージに柔らかい素材のマットを敷くことが予防につながります。
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